引越のバイト

「ご祝儀がある」、「パワーだけで何とかなる・・・」、とかを引っ越しのアルバイトにイメージすると続きません。確かにご祝儀をいただけたこともありますが、もらったらもらったでプレッシャーを感じます。
ベテランになるまでやっていると体育会系の新人が何でも力任せにやろうとするのを指導することがあります。

 

 

ゴルフバッグは力さえあれば団地の五階まで運べますが、さすがに5ドア冷蔵庫を傷付けずに運ぶのはかなりの修練が要ります。

 

特にエレベーターのない集合住宅の場合、台車が使えない上に踊り場のあるケースがほとんどなので慣れた二三人で抱えて運びます。

 

ここで必要なのは力よりも息を合わせることで、変な人と組むと時間がかかる上に相手の動きが読めないので声で確認しながら運ばなければいけないので余計に神経を使います。

 

ちょうど運んでいる最中に、他の階の住民の方が出てお見えになったら最悪です。
冷蔵庫を持ったまま固まって先に行ってもらうしかなく、顔が青ざめてきます。
また、”積み込みはお客様で”というプランを選択されているときにいい思い出はありません。

 

最悪だったのは一戸建てから一戸建てへの引っ越しのケースで、トラック運搬のみ依頼で積み込みはこちらの友人一同でやりますとの条件で伺いましたが、着いた時には荷主も含めて振るまい酒でフラフラで、積み込みはおろか足元もおぼつかない状況でした。

 

繁忙期で応援を呼ぶことも出来ず、結局運転手と荷物管理の二人で一戸建ての荷物を全部積み込んで車を走らせて、夜中までかかって荷下ろししました。
仕事である以上、条件外の報酬を請求することもできず疲れ果てて帰って来ました。

 

それでも時にはお客さんの骨董品のうんちくを聞けたり、家族の思い出を聞けたり楽しい思い出もあります。
引っ越し屋も客商売なので、アルバイトも力任せの無愛想だと勤まりませんよ。